
東急、西武、小田急とか関東大手私鉄の平均年収、社員数や社員構成ってどんな感じ?
※2021年度情報追記しました。
今回は、こんな疑問を持つあなたのために、関東大手私鉄の過去6年データを記事にまとめました。
前回のJR編と同様、2021年度までの過去6年分の関東大手私鉄各社の平均年収と(単独)従業員数、平均勤続年数、平均年齢です。
関東大手私鉄の平均年収、社員数、平均年齢、平均勤続年数はコロナ禍でどのように変化しているのでしょうか。
元JR総合職で駅・運転士・支社、本社オフィス業務を経験した筆者がデータをまとめました。
関東大手私鉄への就職・転職を目指す方にとって、参考となる情報があれば幸いです。
今回は関東大手私鉄編ということで、以下企業について書きます!
・ 東武鉄道
・西武鉄道
・京成電鉄
・京王電鉄
・東急電鉄
・京浜急行電鉄
・東京地下鉄
・小田急電鉄
・相模鉄道
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関東大手私鉄 平均年収の推移
関東大手私鉄の平均年収について、有価証券報告書から以下の結果になりました。

有価証券報告書を元にした平均年収を見ると、800万円を超えていた西武鉄道もコロナ影響で795.8万円に。
それ以外は平均して700万円前後で大きな差はないですが、小田急と東急が平均よりやや高め、東武・京急・相鉄がやや低めのようです。

関東に本社を置く大手私鉄だけあり全体的には高年収ですが、京急の落ち方が大きいですね。
西武鉄道は西武ホールディングスという持ち株会社の平均年収、相鉄は反対に相鉄ホールディングスではなく相模鉄道の平均年収です。
西武鉄道の高い平均年収は「持ち株会社及び持ち株会社からの出向社員に対する給与」ですので、同じ鉄道員としての年収が必ずしも高いわけではない点に注意が必要。
関東大手私鉄も、新型コロナ影響の出た2020年度・2021年度の平均年収は、軒並み前年比マイナス。
マイナス幅が特に大きい京急・東部・京王ではコロナ影響がほぼない2019年度と比べ10%程度も落ち込んでいます。
2021年度の減少幅は対前年マイナス4%(2020年度は同マイナス2%)なので、コロナ影響がより強くでた1年でした。
関東大手私鉄 社員数の推移

続いて、単独社員数をグラフにまとめています。
「運輸業としての社員数」でチェックしましたが、全ての会社でここに記載されている社員数とは別に「(連結)運輸業として〇〇名、交通事業として○○名」と別枠で社員数が記載されています。運輸業としての社員数は各社この表記載の社員数より多くなります。
平均年収でも述べたとおり、西武鉄道は持ち株会社「西武ホールディングス」の報告書であり、社員数は管理部の350名程度のみ。同社都市交通・沿線事業の従業員数は7500名程度(以降、臨時社員含まず)です。
単独社員数では東京メトロが圧倒的に多いですね。
<補足>
採用数でいえば、関東大手私鉄の総合職は例年1桁~数十人しか採用しない超ハードモード。
現業職でも数百人単位で採用する企業はなく、少数精鋭と言えそうです。
6年間の推移を見ると、減少傾向の強いJR各社に比べてまだ変動が少ない点に気が付きます。
ポストコロナ後の鉄道需要・沿線の不動産・商業開発需要が順調に回復していくことを祈るのみですね。
※東急の大きな変動要因は2019年10月より東急株式会社と東急電鉄株式会社が会社分割し、従業員が出向していることによる。
関東大手私鉄 平均年齢・平均勤続年数の推移

平均年齢をざっと見ると、東武鉄道の平均年齢が40代後半と出ている点が気になります。
京急と東京メトロを除き全て平均年齢40代と全体的に高く、関東大手私鉄の安定感が際立つ結果に。

旧国鉄入社の社員がごっそり抜けたJR各社はここ5年間で若返っている。反対に、関東私鉄各社では高齢化が進んでいるのが真逆の傾向。

上記は勤続年数の平均です。
平均勤続年数についても、東武鉄道は驚異の26年超え。一昔前のJRのような数字(イメージ)ですね。
京成電鉄の平均年齢・平均勤続年数は低下中。
2013年本社を移転し、心機一転、若返りを図っている最中なのかもしれません。
ざっと見たところ、それ以外に平均勤続年数に大きな傾向はみられません。
関東大手私鉄の平均年収、従業員数、平均勤続年数、平均年齢まとめ

今回は2016年度から2021年度の6年間にわたる関東私鉄各社の平均年収、社員数、平均勤続年数、平均年齢についてまとめました。
・平均年収はJRに比べ影響少ないものの減少傾向
・社員数は変化少ない。平均年齢の高齢化と安定感抜群の勤続年数
2021年度は5-6月(第4波)、8-9月(第5波)、そしてオミクロン株の影響が日増しに強まる2022年(第7波)までコロナ影響が高まっていました。
鉄道会社において直接的にリストラを断行することは考えにくいですが、採用を絞ったり、役職・ポストを統合したり、ということは避けられない流れになりそうです。
鉄道が好き、沿線開発に携わる仕事をしたいという方は思いを貫き通すことをおすすめします。
一方、入社や転職を迷っている方は、コロナ影響の少ない別業界にも目を向ける良いチャンスかもしれません。
良ければ以下の記事も合わせてどうぞ。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
※今回紹介した関東大手私鉄各社の情報については有価証券報告書を参照しています。
その他、個別の特記事項があった場合、文章中に記載しています。
公表されているデータに基づき精査をしていますが、重大な判断を行う際は責任を負いかねますので、ご自身で有価証券報告書・国土交通省HPを参照下さい。