
電車の運転士ってどうやったらなれるの?
運転士ってどんな仕事?
今回はこんな疑問に、元JR総合職で在来線運転士を経験したこともある筆者が解説します。
- 電車の運転士になる方法
- 電車の運転士あるある(メリット・デメリット)
- 電車の運転士の仕事内容
・新卒でJR本州3社(のどこか)に総合職事務系で入社
・駅→運転士→支社→本社まで経験し転職
・業界も職種もガラッと変え、現在はCore30 メーカーで海外営業
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電車の運転士になるには?入社後のステップ

一般的には入社直後に電車の運転士として乗務員区に配属されることはないでしょう。
鉄道職(現業)採用の場合、入社後のキャリアはこのようなイメージでとらえてください。
入社後、研修を終えた後は駅に配属
出札(みどりの窓口)、改札、輸送・運転といった仕事をこなします。
駅係員の仕事の記事も書いています↓
【鉄道会社】駅員の仕事内容とメリット6選・デメリット5選
鉄道職(現業)採用の場合は入社3年目以降で車掌に。
総合職(鉄道系)の場合、入社2年目に車掌・または運転士に振り分けられます。
筆者は運転士になったため車掌経験がありませんが、現業採用であれば車掌を経験するステップあり。
学生時代に戻ったかのような運転士研修では以下のような内容を学びます。
たびたび試験がありますが、車掌経験が活きることも多そう。
・電車運行の基礎
・鉄道用語
・電車の点検に関する知識
・レール・電気系統・物理の知識
現業採用であれば入社4-5年目で運転士研修に入るイメージ。
半年~1年弱の見習い期間を経て独り立ち。
まずは親方・師匠と呼ばれる、指導操縦者への挨拶。
指導操縦者と共に、実際の乗務員行路で運転や留置、入れ替え、点検を行い、運転士として必要な知識・行動を体に染み込ませます。
晴れて動力車操縦者免許を取得し、何度か線見(ひとりで運転するための最終準備)したら、晴れて独り立ち!
総合職で入社して運転士をする場合は、駅で1年、その後すぐに研修。
早い場合、入社3年目でもう運転士をしています。
ただし、すぐに支社や本社、指令など、次の職場に異動となるため、一人で乗るのは長くて数か月です。
一人で乗車したのはわずか1回しかないという同期もいました(免許取得に1千万かかるとも聞くのでもったいないですね。)
電車の運転士 仕事内容は?

電車の運転士の仕事はただ、電車を運転するだけではありません。
大まかに見て、このような仕事内容に分けられます。
・電車の運転
・電車の出区点検(出発前の点検)
・電車の留置や操車場での入れ替え作業
・異常時、緊急時の列車防護やお客様救護
電車の運転

当たり前ですが、電車を運転して安全・快適にお客様を目的地に連れていくことが一番の仕事。
日勤も泊まり勤務もあり、行路もバラバラです。
広い路線の乗務員区の場合、一日同じところを往復する行路だったり、あっち行ったりこっち行ったりする行路だったり変化も楽しめます。
行路のあいまに数十分から数時間の休憩時間がありますが、この休憩時間もバラバラ。
電車の運転で大事なのは「体調管理 > 運転技術」
・どのみち独り立ちする頃には、どの位置で何キロ・どこからブレーキといった感覚が染み込んでいます。
・眠気や腹痛で、いつもどおりができなくなることが最も危険
電車の出区点検

出区点検とは、運転開始前に電車に異常がないかを確認する点検です。
外から電車の床下にある機器や電車留めの確認を行い、電車の中からもランプ、計器、ドア開閉を確認します。
運転士免許取得の際、出区点検を漏れなく行うことも合否の一つ。
軍隊並みに大声が点検する必要があります。
出区点検の様子
TwitterやJR各社のホームページなどで出区点検の様子を確認できますね。
以下はJR東日本のFacebook投稿です。
JR東日本 – 『運転士を目指して ~技能試験に向けて~』… | Facebook
電車の留置や派出所、操車場での入れ替え作業

お客様を乗せていない時も、留置場の中で線路の入れ替えや留置作業をおこなっています。
こういった操車場には、操車担当と呼ばれる方に引継ぎを行いますが、場合によっては自分で入れ替えを行います。
こういった作業の合間が休憩時間になっていたりするので、電車の中で食事をとることもあります。
次の運転のために集中力を切らさないことが大事。
異常時、緊急時の列車防護やお客様救護

電車の運行に異常がなければいいのですが、天候不良や人身事故などで頻繁に電車は遅れたり、運転休止したりします。
こういった時、運転士として司令員とやり取りを行って電車の遅れ案内や運行状況を説明します。
万が一人身事故が自分の電車で発生したばあい、車両の確認や警察との事情聴取にも応じるなど、対応はかなりハード。
電車の運転士あるある【メリット・デメリット】

最後に、電車の運転士「あるある」をメリット・デメリットで紹介します。
電車の運転士のメリット
駅勤務の時同様、何と言っても休日が多い点が一番の長所でしょう。
さまざまな行路によって勤務開始時間、終了時間もまちまちです。
同じ泊まり勤務でも9時から翌朝9時というものもあれば、14時勤務開始~翌朝10時に終了といったものまで。
同じ現場勤務でも、チームプレーの駅に対して、電車の運転自体は個人プレー。
異常時にはあらゆる連携が必要ですが、何もなければ業務中も、詰所(つめしょ)でも穏やかな時間を過ごすことができます。
気になる給料についても、基本給に対して宿泊手当、運転距離、待機時間に対する手当がつくため、月7~8万円ほど加算!
当時入社2-3年目でも額面月30万円前後もらえていました。
意外ともらえるなと思いませんでしたか?
電車の運転士のデメリット
泊り明けの日や休日が辛くて何もできないことがある、という点はデメリットになりがち。
長期休暇も取りづらいので、付き合う相手も会社のメンバーとの時間が増えます。

ギャンブル好き・酒好き多し!
金銭・体調管理は本当に大事!
また異常時には、指令や車掌との連携、お客様への情報提供だけでなく、警察との面談や後処理もあり精神的に疲弊します。
トラウマになって運転士を降りる人もいる、翌日肉が食べられなくなる人もいる、と聞いたことがあるので、メンタル管理も大事ですね。
電車の運転士になるには・仕事内容・運転士あるある まとめ

今回の記事では以下を解説しました。
・電車の運転士になる方法
・電車の運転士の仕事内容
・運転士あるある(メリット、デメリット)
決して常に楽な仕事ではありませんが、入社してから浅い年数でも月30万円くらいが狙える、ワークライフバランスの高さもお勧めできる仕事です。
興味がある方、適性があるかどうか、ぜひ適職診断の記事と合わせてチェックしてみてください。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
ひたすら鉄道会社の中途採用状況や口コミサイトを調べた記事も作っています。
お時間があればどうぞ。