海外駐在・海外勤務したい。どんなメリットがある?
どんな企業・職種なら海外駐在できる?
海外で働くことは(特に文系)新入社員や中途採用者にとっても憧れ・目標の一つであり、新卒社員が入ってくるたびに海外で働くことの人気さを実感します。
今回はメーカー勤務で途上国の海外法人に海外駐在をした筆者が「メーカー海外駐在・海外勤務のメリット」を打線組んだシリーズで9選紹介します。※記事の内容は筆者の経験を元にした個人の意見です。
・海外留学経験あり、TOEIC960点
・BtoB・BtoCメーカー海外営業・マーケティング
・海外駐在経験あり (途上国に約3年駐在)
メーカー海外駐在・海外勤務のメリット9選
- (左) 英語・現地語の能力向上
- (二) 異文化理解力がつく
- (遊) 仕事のマネジメント能力が身につく
- (補) 給料が増える
- (一) 会社で出世しやすくなる
- (右) 海外旅行へのハードルが下がる
- (三) 帯同の場合子どもの教育に役立つ
- (中) なかなか食べることのできない食事を経験できる
- (投) 転職しやすくなる
それではさっそく、打順1番から紹介していきます!
(左) 英語・現地語の能力向上
皆さんがイメージするとおり、海外駐在では周りで働く社員の多くは現地社員(ローカルスタッフ)です。
レポートラインは日本人である場合も多いですが、ローカルスタッフを交えた会議や日常使いの現地語など、多くの駐在者は英語や中国語など、現地語の能力を伸ばして帰任してきます。
通訳をつけて現地語の習得を諦めるマネジメント層もいますが、本当にお勧めしません。
現地語話せると、ローカルスタッフ間のひそひそ話防止や関係作りに役立ちますよ。
(二) 異文化理解力がつく
当然、日本とは仕事の進め方や合意形成の取り方が異なるため、さまざまな困難が待ち受けます。
「日本では~だから、こうしなければいけない」「アメリカは~だから、~できない」と言ってものごとが進めばいいのですが、言い訳は通用しません。
異文化を理解し、共感しつつ、その違いを言い訳にせず、人付き合いをしていく経験は日本にいてはなかなか身につきません。
とにかく相手の懐に入っていくことを意識すれば、異文化や考えの異なる相手と協調していけるようになり、そのスキルは海外でも国内でも役立つに違いありません。
グロービスに「異文化理解力 」「海外で結果を出す人は異文化を言い訳にしない」といった講座もあるので、気になったら口コミだけでも見てみると面白いですよ。
わたしは会社のサービスとしていくつか受講しましたが、「学び放題」はめちゃめちゃ充実しています。
(遊) 仕事のマネジメント能力が身につく
メーカーで海外駐在する場合、基本的に1つ上の役職に就くことが一般的。
こんなイメージです。
・日本で担当 → 駐在先でグループリーダー
・日本で係長 → 駐在先でマネージャー、部長代理
・日本で課長 → 駐在先で部門長
・日本で部長 → 駐在先で社長
半強制的に、日本で働いていた時よりも一つ上の目線で仕事を考えたり、チームを動かしたりする必要が出てくるため、仕事や人のマネジメント能力がつくことに。
メーカー勤務のあなたは良く分かると思いますが、日本にいたら一定の年齢になるまではジョブローテーションとしての異動は有れど、突然部下をもつようなことにはなりません。
海外駐在を経験すると、20代後半から部下を持ち、組織運営に関わることができるようになるため、純粋に経験値の前借りができるような状態に。
(補) 給料が増える
海外駐在員は地域や会社の規定にもよりますが、駐在員の給料は日本にいるときに比べ「額面1.5倍、手取り1.7~1.8倍」と言われています。
例を挙げると、日本で年収800万円(おおよそ、手取り600万円)の人が海外に海外に行くと額面1200万円、手取り1050万円くらいということになります。
額面が増える大きな理由、手取りが増える大きな理由は以下のとおりですが、途上国で働いた筆者なんかは言葉通り「出稼ぎ」状態でした。
インド・アフリカ・中東あたりは危険手当がMAXでつくため、一人で20万円以上毎月プラスになっていました。
※最近は危険手当も縮小傾向と聞いており、ベトナムや中国あたりはそろそろなくなっているかもしれません。
インドでも軽自動車で有名な某社は手当激薄、とか会社ごとの情報は転職会議をはじめとした口コミツールで調べられるので、あなたの会社がどんな海外駐在手当があるのか、ぜひみてみてください。
\業界情報充実 /
(一) 会社で出世しやすくなる
そもそも海外駐在候補に選ばれる時点で、「仕事に対する責任感・他社に対する誠実さ・チームを率いる能力」を上司に認められているので、出世という点では有利です。
それに加えて、海外駐在を経験すると「普段やり取りすることのない役員・幹部とのコネクション」「駐在中に身につく言語能力や仕事の能力」という特殊な経験が手に入ります。
立ち回りがうまくできれば3~5年の駐在中に一気に評価があがり、出世の道が開けるでしょう。
(右) 海外旅行へのハードルが下がる
筆者が地味に感じているメリットがこれです。
日本から海外に行くのは言葉の問題や手間・時間の問題から、本当に行きたい人しか行かない海外旅行。
特にアジアや欧州にいると、気軽に隣国に旅行することが可能です。
また駐在中の祝日や長期休暇、日本に帰るほどでもないなという時はとにかく住んでいる土地を離れたくなるんですよね。
こういった心理から、多くの駐在者が気軽に海外旅行に行き、訪問国数を増やしていました。
(三) 帯同の場合子どもの教育に役立つ
子どもが本当に日本を離れたいか、その時の感情は置いておいて、小さいうちに日本以外の国に住む経験は、その子の視野を広げる意味で役にたつと考えます。
言葉、見た目、人種、物事の考え方や地域・文化など全ての面で、日本で暮らす以上の内容に触れることで豊かな感性がはぐくまれることでしょう。
筆者の父は、過去に中国単身赴任をしており、筆者は学生時代に何度か中国を訪問しただけですが、日本以外への興味が強くなり、海外でインターンをしたり、海外勤務のある会社に転職したりとその後のキャリアに影響を与えています。
まさかこんな風景、日本で見ることはないですよね……。
(中) なかなか食べることのできない食事を経験できる
これも経験として、自分自身の経験に厚みをつけるという点でメリットです。
海外駐在をしていると、海外ならではのグルメ・スイーツに出会います。
筆者は特にグルメなタイプではありませんが、未だに出張で訪れたり、海外駐在中に食べたりした料理は記憶にありますし、それらはなかなか簡単に日本で出会うことができません。
筆者が初めて食べて感動したもの
・タイのカオマンガイ
・マレーシアのバクテー
・スペインの生ハム
・イタリアのピザ
・地域によって異なるインドカレー
・アジアの路上販売フルーツ
そして、現地の食が飽きたころ、日本食を食べると逆に日本が大好きになること間違いなし。
(投) 転職しやすくなる
これまで紹介してきたことを総括すると「仕事の幅が広がる」「マネジメント能力・異文化対応能力が身につく」「語学力向上」といった内容。
そして、これらの実体験を語ることができる時点で、駐在経験は転職市場でも非常に強力な武器となります。
駐在者の転職でよくある例が、元職場への帰任に嫌気が刺して転職するということ。
これ、自分の市場価値を理解すると、もはや同じ職場で同じ仕事をするモチベーションが湧かないことが背景にあるんです。
こうして高まった市場価値(給料・役職・仕事内容)に見合った転職活動をするのが頻発してしまいます。
筆者自身もまさにそれ。
ブログの記事としても筆者おすすめの海外勤務・ハイクラス転職サイト紹介を作ってしまったくらいです。
\ 海外転職・ハイキャリア用 /
メーカー海外駐在・海外勤務が多い会社は?
東洋経済社「海外勤務者が多い会社ランキング200 (2018年記事)」によれば、ランキング上位を占めるのはメーカー・商社が大半。
メーカーは20位までの中に12社が含まれます。
会社規模が大きいトヨタ・ソニー・デンソーなどは社員の絶対数が多いところは駐在者も多いですね。
他は海外売上比率高い、自動車部品・輸送用機器・電機・電子部品といった業種が多いようです。
ものすごく単純に分けると、下記のイメージで海外駐在者が多いように見受けられます。
自動車メーカー=電子・電機メーカー=機械メーカー>化学メーカー=鉄鋼メーカー>食品メーカー
ぜひ、気になる企業の海外売上高比率を調べてみてください。
\業界情報充実 /
メーカー海外駐在・海外勤務ができる職種は?
筆者自身が過去2社(BtoB、BtoCメーカー)で把握する限り、海外駐在のチャンスが多い職種は「営業、経理、設計、生産管理」というイメージ。
文系の場合、筆者が経験した「海外営業」の仕事でコネクションを作り、海外駐在を待つのがいいでしょう。
一方で、2021年度 海外進出日系企業実態調査(全世界編)の中で、「海外進出する日系企業の課題」のうちひとつを、技術者の不足(デジタル技術活用)と挙げています。
筆者は文系職種ですが、特に英語ができてフレンドリーな技術者は、社内外で通用する絶大なスキルだと納得。
メーカー理系職種で今後のキャリアが不安な方は、海外工場や開発拠点への出向を目指すことをおすすめします。
文系職種は経営スキルを得るのであれば「現地法人」に、ものづくりの根幹や人材育成に重きを置きたい場合、「海外工場」を目指すのがおすすめ。
工場は僻地・飯まず・仕事きつめ、なので現地法人がベター(個人的な意見です)
メーカー海外駐在・海外勤務のメリット9選まとめ
今回は、メーカー海外駐在・海外勤務のメリット9選を「打線組んだ」シリーズで紹介、また海外駐在の多い企業やおすすめの職種を解説しました。
海外駐在はキツい点も多いですが、長い目で見ればよい経験をしたな、と思える魅力的な経験です。
円安・低金利といった日本の弱さが日に日に高まる状況で、今後ますます海外で働くことのメリットが増えてくると考えています。
海外駐在に興味がある方、転職活動中の方の参考になれば幸いです。
<< 【海外転職・ハイキャリア用】転職サイト・エージェントランキング も参考にしてみてください。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。