ニューバランスのUK製・USA製って何が違うの?どっちがおすすめ?
少しニューバランスに知識がついてくると興味が出てくる品番(1000番台・900番台など)や生産地。
特にフラッグシップモデルということもありUK製(Made in England)とUSA製(Made in U.S.A)が有名ですよね。
今回はM1500とM1400のホワイト・オールレザーモデルを比較しながら、それぞれを詳しく解説していきたいと思います。
※冒頭で製品の概略を説明しますが、見た目の違いが気になる方は目次から比較の章にスキップしてください。
・M1500のUK製は上品さ・こだわりの意匠を打ち出した高級感重視なモデル
・M1400などUSA製は当時のブランド最先端技術とテクノロジーが搭載されたモデル
・サイドからの見え方に差。履き心地も大きな差。
・定価はどちらも2万円超えで、ある意味究極の選択
M1500(UK製)がおすすめな人
・良い意味でニューバランスらしくない高級感を求める人
・特にビジネスシーンに合うスニーカーを探している人
M1400(USA製)がおすすめな人
・ふかふかで上質な歩行性を体験したい人
・アメカジなどカジュアルコーデに活かしたい人
ニューバランスUK製M1500とUSA製M1400の誕生・開発秘話
M1500 (UK製)
ニューバランスM1500はフラッグシップモデルの1000番台の中では珍しいUK製モデル。
1989年発売で生産国はUK(Made in England)です。
1989年に新時代の訪れを感じさせるアッパーデザインに、より高度で立体的な「ENCAP」を採用した先進の一体成型ミッドソールを搭載するなど、当時の最先端技術を全て盛り込み、ランナーのステイタスシューズとして名を馳せた名作「1500」。
【NB公式】ニューバランス | M1500 PGL
生産場所はイギリス・カンブリア地方にあるフリンビー工場(創業 1982年~)。
ニューバランスはこの革靴の生産地としても名高いフリンビーでその当時、「本気で革靴を超えるレザースニーカーを作る」という意気込みをもって工場を建設したそうです。
そのため、M576やM1500でもレザータイプのスニーカーが特に人気で、シルエットもUSA製に比べると製品の仕上がりの美しさやホールド感に優れています。
M1400 (USA製)
ニューバランスM1400はフラッグシップモデルである1000番台の中でも万人受けするモデル。
発売は1994年で生産国はアメリカ(Made in USA)です。
爆発的な人気を誇ったニューバランスM1300の後継モデルとして、当時の技術・テクノロジーを結集して開発されたM1400は、残念ながら大量生産が難しいことから一度生産が見送られたモデル。
サンプルで作られたM1400はどうしても40,000円を超える価格設定が必要となり、結局ニューバランスM1500が1989年に先行発売されたのは、あまりにも有名な話ですね。
一度開発が見送られたM1400ですが、その後ニューバランスジャパンの社員が、アメリカで見かけたM1400のサンプルに惚れ込み材料・企画を日本側が負担することに。
日本人の足に合うようなシューズに改良を加えながら、アメリカ側が生産に専念できるというWin-Winなストーリーを経て、ようやく1994年発売に至ったのです。
日本での発売開始後、M1400を見たアメリカのJ.Crew(ジェイクルー)社員が同製品に惚れ込み、今度は反対にJ.Crewモデルとしてアメリカで販売することになったというエピソードまであります。
ニューバランスUK製M1500とUSA製M1400の価格帯
ニューバランスM1500は現在公式サイトで販売されているモデルが30,800円(税込)。
ニューバランスM1400は2018年に生産終了。
2021年に販売再開したものの、生産数に限りがあるためか、残念ながら公式サイトで販売されていませんが、定価は概ね2万円~3万円程度です。
いずれのモデルについても、楽天やオークションサイトにおいて、15,000円~18,000円程度で状態が良い人気色は要チェック。
10000円台前半で出品されていたら筆者は「即買い」です。
※偽物・フェイク品には注意!
ちなみに本場アメリカではM1400が$400(日本円5万円以上)を優に超える価格で販売されており、もはやターゲット層が不明なほど高騰 (参考情報)。
ニューバランスUK製M1500とUSA製M1400の外観比較
・最も分かりやすい側面からのシルエット
・シュータンやNの大きなも一目でわかるポイント
・でもシルエットの次に大きく異なるのは履き心地かも!
以下ではニューバランスのホワイトレザーモデルM1500WHIとM1400JWTを比較していきます。
正面から比較
どうですか?
同じホワイトのレザーモデルですが、思ったより違いが判らないなと思いません?
筆者も、あれもっと違う外観だと思っていたというのが正直な感想ですが、M1400が少しぼてっとした印象、M1500がすっきりしたシルエットというのがなんとなくわかる程度です。
色の切り替えが少ないとなかなか見分けがつかないもんですね。
後ろから比較
後ろからの見え方で最も特徴的なのは、ミッドソールの色。
ホワイトレザーの中でM1500の特徴である、ENCAPとTPUヒールスタビライザーを内蔵した一体成型のミッドソールは格好良すぎです。
M1400のミッドソールはENCAPとC-CAPの組み合わせ。合成樹脂の色が経年変化しやすいので注意。
サイドから比較
横からM1400とM1500を比較した画像です。
正面からの見え方に比べて、同じ色・素材でもかなり見え方が違うなと思いますよね。
サイドからの見え方がここまで違う理由の1つに「N」の文字の大きさの影響があります。
上のM1500は「N」文字が小さく目立ちづらいため、装飾が少なくシンプルに見える反面、下のM1400は従来の「N」の大きさを踏襲した形となり、ニューバランスらしさがでています。
M1500に至っては履き口の形状と雰囲気を合わせてミドルカットのスニーカーにも見えますね。
M1400のシルエットは無駄なく、丸みと立体感が絶妙。さすが大人気モデルとあらためて実感します。
靴底比較
靴底も比較してみましょう。
M1400のアウトソールはオンロード・オフロードどちらでも高い歩行性をキープする強めのトレッド。
未舗装の場所でも優れたグリップ力を誇ります。
M1500はM1400とは異なりトレッドは浅め。オンロード(ストリート)向きと言えるでしょう。
インソール・カップ比較
インソールカップは履き心地を左右する重要なパーツ。
M1500の方が複雑なパターンですが、特徴的なのはM1400の柔らかさ。
この柔らかさがM1400の特別なふわっとした履き心地を生み出しているとしても納得です。
履き心地に関してはM1400はふわふわなクッション、M1500は反発少なく足首からのサポートがしっかりした感覚。
どちらを履く場合も靴紐はややきつめに結ぶことをおすすめします。
レザーの質感比較
レザーの質感まで拡大してみてみます。
どちらもホワイトスムースレザーなのですが、わずかにM1500の方が滑らか、M1400の方がざらっとしたレザー(シボ革)のようです。
革靴生産地として有名なフリンビーだからこそ手配できる革の質感なのかもしれませんね。
縫製比較
どちらも中央で縫い付けられたパターンとなっています。
これがアジア製になると靴の内周に沿って縫い付けられる仕様に。
外側からは見えない大きな差異です。
シュータン比較
シュータンの素材感は同じですが、M1500の方は刺繍でnew balance Made in Englandの表記。
M1400は1400の数字がメインで、小さくMade in U.S.Aが書かれています。
M997の説明でも述べましたが、刺繍で生産地が刻まれていると一瞬で高額なモデルだとわかるので、見栄を重視する方にはM1500の方がおすすめ(笑)。
M1400のシュータンだけ見た場合、1400という数字以外、他の廉価モデルと判別しづらいのが難点。
ニューバランス好き以外からはなかなか気づかれないかもしれませんね。
ニューバランスUK製M1500とUSA製M1400がおすすめな人
冒頭にまとめたとおり、ニューバランスM1500がおすすめな人、M1400をおすすめな人は明確にわかれてきます。
M1500(UK製)がおすすめな人
・良い意味でニューバランスらしくない高級感を求める人
・特にビジネスシーンに合うスニーカーを探している人
M1400(USA製)がおすすめな人
・ふかふかで上質な歩行性を体験したい人
・アメカジなどカジュアルコーデに活かしたい人
M1500は「アジア製のCM1500」や「M1500発売30周年モデルM1530」といった派生モデルが近年投入されています。
M1500自体も販売は継続していることから比較的入手しやすく、プレミアム価格はつきにくいため、適切な価格で購入されたい方はM1500がおすすめです。
M1400は高コストが影響しており、2021年のブラックを除き復刻されていません。
楽天ではまれに状態の良い中古品もでているためチェックしてみてください。
ニューバランスUK製M1500とUSA製M1400比較レビュー:まとめ
今回はニューバランスのホワイトレザーモデルの外観・内観を比較しながら、それぞれの特徴とおすすめできる人について解説しました。
ここ最近はM1400やM1500といった往年の有名モデルではなく、スポーティーな見た目のMR2002やM992の復刻が話題となっていますが、今回紹介したモデルたちはトレンドに左右されず履き続けることができるので、手元に一つ置いておくのもおすすめです。
筆者は海外駐在や海外営業の経験から海外出張や海外旅行におすすめの持ち物も紹介しています。
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