海外営業ってどんな仕事内容?
響きはいいけど、スマートな仕事ばかり?
今回はそんな質問に回答します!
・欧米とアジアを中心に出張で20か国訪問
・日本からは1-2か月ごと25回出張
・途上国駐在経験あり
・BtoC、BtoBの2社で海外営業経験
海外営業はイメージ先行で、「スマート」とか「格好いい」という印象があるのではないでしょうか。
イメージ先行で海外営業を志望すると、実際に仕事に就いた時に、思っていた働き方と違うとがっかりするケースがあるでしょう。
海外営業という響きだけではなく、仕事内容を聞いて自分が働く姿をイメージできるか、この記事を読んでぜひ考えてみてください。
・海外営業がどのような仕事内容か知りたい、就職・転職活動中の方
・海外営業担当の日々のスケジュールが気になる方
・海外営業に関する口コミ・レビューをみたい方
\ こちらの記事でランクづけ! /
海外営業に関わることができる業界
海外営業と呼ばれる仕事はメーカー・商社など業界によっても異なれば、同じ業界でも現地法人の有無や代理店の有無によって、仕事内容は大きく異なります。
大きく2つにわけることができます。
1つめは、国内の拠点から海外の現地法人や代理店に向けて仕事をし、時々担当地域に出張するパターン。
2つめは、担当国の現地法人に赴任し、その国のビジネスを拡大・サポートしていくパターン。
今回は、1つめの「日本でする海外営業」についての記事を書いていきます。
まず、業界別に一般的な例を見ていきましょう・
商社の場合
商社で働く場合は、海外の製品を購入し、国内の卸売業者や小売店に仲介する仕事を請け負います。
取引相手(顧客)は、海外の製造者・生産者や国内の卸売業者や小売店です。
規模の大きな総合商社の扱うものによっては、メーカー同様、海外の代理店を経由した取引を行うことも。
メーカーの場合
メーカーの海外営業にとって、顧客の大半は自社製品を販売してくれる現地法人(販売会社)や代理店です。
海外営業担当が自社製品のユーザーと接する機会はあまりないので、年間数回の出張機会で市場調査・訪問できればラッキーくらいです。
BtoBの場合は顧客と直接取引のケース多いですね。BtoCは現地法人・代理店販売が中心です。
海外営業の仕事内容
ここでは海外営業が行う仕事内容を説明します。
(人員や組織構成によって、やるやらないありますので参考まで)
それだけだとありきたりなので、実際に経験し感じた仕事別のレーティングをしていきます。
現地法人(海外顧客)からの技術・営業問い合わせ
むずかしさ | |
華やかさ | |
業務圧迫度 |
日本に住む海外営業担当は一日の中で顧客からのビジネス問い合わせに多くの時間を割くのではないでしょうか。
こういった問い合わせのこと「コレポン」と呼びます。
BtoB、BtoCに限らず、日々現地法人や海外顧客からの問い合わせが舞い込み、関係部署と打ち合わせをしたり、メールで依頼したり、翻訳をする仕事です。
価格や商流設定は別カテゴリで紹介します。
出荷計画の調整
むずかしさ | ~ |
華やかさ | |
業務圧迫度 | ~ |
担当地域や国、顧客からの計画数量に対し納期回答をする仕事です。
平常時や新製品の無い時期であればいたって穏やかな業務。生産管理との関係も悪くないです。
しかし、需給バランスが崩れ顧客要求にミートしない、急遽キャンセルや数量変更が発生したらもう地獄。
顧客や生産管理に頭を下げて、二枚舌を駆使するバランスが求められます。
コロナの影響で現在、多くのメーカーは需給バランスが崩れており、業務に占める出荷計画の比率は高いのではないでしょうか。
製品の価格調整・契約業務
むずかしさ | ~ |
華やかさ | |
業務圧迫度 | ~ |
工場の利益、会社全体の利益、市場価格と比べた妥当性を考えながら、製品の価格設定をします。
為替、素材価格といったコスト変動に合わせ、値段をあげたり、さげたりの対応も海外営業の仕事。
ちょっとした製品の場合はサクッとできる仕事ですが、大きな機械や設備の場合は金額も数億~百億単位になります。
そうなると、直属の上司だけではなく二つ、三つ上の上司にまで承認をもらう必要がでたりと難易度アップ。
また、海外法人を通じた顧客との契約についてもビジネス開始前に行うことが多いです。
価格調整・契約ともに地道な仕事だけど、うまくいったときの達成感あり
販売・広告宣伝サポート
むずかしさ | |
華やかさ | |
業務圧迫度 | ~ |
海外営業が担当するか、別の組織(広告宣伝グループ)が対応するか分かれるところです。
製品プロモーション用の販促物(チラシやカタログ、ムービー)作成を広告会社と行います。
コロナ前では、販促物の打ち合わせや動画撮影を目的とした出張もありましたが、最近プロモーション活動は縮小気味。
製品開発・製品企画サポート
むずかしさ | |
華やかさ | ~ |
業務圧迫度 |
新製品を企画・開発する際の海外法人窓口を行い、開発担当に要求を伝える役割を果たします。
ビジネス判断は需要予想が高すぎても、低すぎてもダメ。
顧客や海外法人の話をそのまま受け取らず、正しい情報やその背景をしっかりつかむしつこさが求められます。
海外営業担当として、海外法人や顧客へのヒアリング・市場調査を行ったり、製品開発状況をプレゼンしたりと、一番の見せ場が訪れることも。
製品一つ立ち上げるのも地道な仕事ですが、自身が担当した製品がウェブで検索して出てくる、現場に納入されている(使われている)姿をみるとき、大きなやりがいが生まれるのではないでしょうか。
というポイントに限って、華やかさを最大の星5つに設定。
物流・商流の設定
むずかしさ | |
華やかさ | |
業務圧迫度 |
生産管理が担当したり、海外営業でも物流専門の方が海外法人と調整したり、直接的に関係しないケースも多いです。
それでも、海外向けに製品の価格設定を行う時、必ず必要となるインコタームズ(貿易取引条件)の明確化や、物流面では下記を顧客と調整することがあります。
・顧客直送または販社倉庫に発送?
・クーリエ(DHLやFedexなど)、フォワーダーどちらを使うか?
・輸送はボート?空輸?
目立たない業務ですが、こういった取引条件が決まらないことには製品を出荷できないため、顧客や海外法人とのやり取りが必要です。
海外営業一日のスケジュール
参考までにBtoB、BtoCで経験した一日のスケジュールを表していきます。
海外営業一日のスケジュール (BtoBの場合)
出荷状況、新製品開発の進捗、価格調整などを打ち合わせ
ひたすらメールを「やる、やらない、依頼する」に分けてさばきます
BtoBは新製品開発より既存品の出荷調整(アロケーション)の比率が高め
プレゼン資料に出荷数量、価格、開発状況の難しいポイントをインプット
アジア顧客対応がある場合、お昼前後のこの時間
顧客から吸い上げて、海外営業としてまとめた資料を社内に共有。
プロジェクトの前進に貢献します
価格や出荷関連の話を欧州海外法人と行うことがしばしば発生します。
時期によっては開発案件のやりとりも。
海外営業一日のスケジュール (BtoCの場合)
夜のうちに届いているメールへの回答
求められる仕様や数量を共有。設計陣を動かしていきます
グループ会社の広告会社とカタログの構成、今後の販促物作成スケジュールを調整
担当する地域や製品の開発会議に出席し、営業側からの要望を伝えます。
仕様や性能に課題があれば、その課題解決のため海外法人とやりとり
開発・出荷計画など洗い出して、関係者に情報共有するための打ち合わせ
さまざまな要因で値上げとなる背景の説明や新製品価格決め、その資料づくりをおこなう
海外営業の仕事内容に関する口コミ・採用ページ
海外営業の仕事内容に関する口コミとして下記のようなコメントが確認できました。
海外営業の仕事内容【SNSの口コミ】
海外営業の仕事内容【採用ホームページ】
興味のある会社の採用ホームページにも海外営業という職種や仕事内容の紹介があると思います。
ここではBtoB、BtoC大手の中で、一日のスケジュールを紹介している企業のページを紹介。
※選択した企業、それなりの規模という以外は大きな意図はありません。
トヨタ自動車の場合
日本で最も知名度の高いトヨタ。トヨタの採用ホームページより、海外営業の一日のスケジュールには正直に「21:00 終業(帰宅・夕食後)」という記載があり、好感持てますね。
21:00 終業
海外営業|職種紹介|新卒採用情報|トヨタ自動車株式会社 (toyota-recruit.com)
翌日のタスクの確認やメールの返信をして終業
フレックス制度を活用し、遅い時間に海外との打ち合わせがある場合は翌日の始業時間を調整するなど、メリハリをつけた働き方を目指しています
私のスケジュールは17:00が最後のイベントとしていますが、どこもトヨタみたいなもんですよ。
積水化学工業の場合
残業しっかりありそうな書き方に好印象。
出張時、以前は機内でもPCを開いて仕事していましたが、働き方改革によってPCで作業できる時間が減りました。
17:00 事務処理 つづき
社員インタビュー – 社員紹介⑩ 新卒採用|採用情報|積水化学 (sekisui.co.jp)
出張中は必ずしも社内メールができる環境が整っていない事もあります。本社にいる間にたまったメールを消化するため、また中々終わらない資料作成などのため残業することもあります。
出張あると仕事たまって大変なんですよね~。
横河電機の場合
多くの海外拠点を担当すると、このように昼は豪州・夜は欧州といった生活になりがち。
AM 10:30 海外拠点からの市場要求に対する部内会議
営業・販売推進 | 新卒採用情報 – 採用サイト – 横河電機 (yokogawa.co.jp)
PM 0:40 オーストラリアからの質問に対応
PM 3:00 海外でのプレゼン準備
PM 5:00 ドイツの拠点とのテレビ会議
アメリカとヨーロッパを担当すると朝夕の拘束がキツイ(体験談)
海外営業の仕事内容と一日のスケジュールイメージまとめ
今回は海外営業の仕事内容と一日のスケジュールを記事にしました。
華やかなイメージばかりが先行する海外営業。
思った以上に地道な仕事が多いという印象を受けた方もいるのではないでしょうか。
海外の顧客とばちばち商談したり、市場調査にいくのは日常ではなく、ハレの日です。
ハレの日に向けた準備や根回しはしっかり地味な仕事ですが、こういった経験一つ一つが成長につながることは私自身も実感できたこと。
「ほとんどの仕事は地味で楽ではないが、ハレの舞台も用意されている。その過程でスキル習得・成長につながっている」、海外営業はそんな魅力的な職種です。
海外営業転職については、筆者も実際に使っておすすめできる転職サイト・エージェントを紹介していますので、お時間があればぜひ見てみて下さい。
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最後に今回紹介した内容をまとめます。
・現地法人(海外顧客)からの技術・営業問い合わせ
・出荷計画の調整
・製品の価格調整・契約業務
・販売・広告宣伝サポート
・製品開発・製品企画サポート
・物流・商流の設定
・BtoBは日常的に英語を使った打ち合わせや会議が多い
・BtoCは大掛かりな商品会議や製品発表での英語プレゼンが多い
・海外の業務時間に合わせた勤務スケジュールになりがち。
アメリカは深夜や早朝。ヨーロッパは夕方からの会議が標準
・担当エリアはなるべく狭い範囲であることがライフワークバランス確保への鍵
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!