日常会話レベルの英語って具体的にどんなレベル?
TOEIC 500点は日常会話レベルと言える?
前回のビジネスレベル解説に続いて、日常会話レベルを解説します!
転職や就職時に「日常会話レベル」の英語力を求めてくる企業はあまりありません。
海外営業の転職でおすすめ資格は?転職サイト結果からまとめてみた!に記した上場海外営業求人137件の結果によると、「日常会話レベル」の要求は3件のみ。
意欲あり~TOEIC600点レベルまでを合計しても20件ほどでしたので、日常会話レベルでは企業へのアピールとしてはやや物足りないようです。
一方で、この記事を読んであなたの英語が日常会話レベルなのか、ビジネスレベルなのか把握することは重要です。
この記事を読んで確認してみましょう。
・大学時代アメリカでインターンを経験
・欧米とアジアを中心に出張で20か国訪問
・途上国駐在経験(英語と現地語)
・BtoC、BtoBの2社で海外営業経験
・TOEIC 960点
英語日常会話レベルはどのくらいの英語力?
英語の日常会話レベルの定義を「CEFR (セファール)」の解釈を元に確認していきましょう。
以下の表がCEFRのレベルと習熟度を示した解説。
段階 | CEFR | 能力レベル別に「何ができるか」を示した熟達度一覧 |
---|---|---|
熟達した言語使用者 | C2 | 聞いたり読んだりした、ほぼ全てを容易に理解することができる。いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できる。自然に、流暢かつ正確に自己表現ができる。 |
↑ | C1 | いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢にまた自然に自己表現できる。社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる。 |
自立した言語使用者 | B2 | 自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。 |
↑ | B1 | 仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。 |
基礎段階の言語使用者 | A2 | ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。 |
↑ | A1 | 具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりすることができる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる。 |
全部日常会話レベルOKに見えない?
ぱっとみた感じA1でも日常会話レベルに見えますが、このグレードをより詳細に解説した「JF日本語教育スタンダード」のCEFR Can-do一覧によると、A1は「ありがとう、ごめんなさい、名前」が言えるレベルとのこと。
日常会話レベルと言えるのは「あまり苦労せずに日常での簡単なやり取りができる」A2以上と言えそうです。
↓CEFR A2レベルの英会話力
TOEIC・英検と日常会話レベルの関係性
ビジネスレベルについて解説した記事同様、TOEIC L&R試験と英検において、どの程度の点数・レベルが「日常会話レベル」なのかを明らかにしていきます。
TOEIC L&Rの場合 (TOEIC 470点以上)
TOIECの場合470点~730点 (レベルC)が日常会話レベルと言えそうです。
日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる。
PROFICIENCY SCALE (iibc-global.org)
通常会話であれば、要点を理解し、応答にも支障はない。複雑な場面における的確な対応や意思疎通となると、巧拙の差が見られる。
1つ下のレベルDでは相手の配慮無しには意思疎通は難しい点記載されていることからも、470点以上が日常会話レベルといって問題ないでしょう。
英検の場合 (英検準2級以上)
英検Can-doリスト一覧によれば、準2級に求められる能力は以下の通り。
準2級以上であれば簡単な日常会話ができるといって差し支えなさそうです。
<英検準2級に求められる能力>
読む | 聞く | 話す | 書く |
---|---|---|---|
簡単な説明文を理解したり、図や表から情報を得ることができる。 | 日常生活での話題や簡単な説明・指示を理解することができる。 | 日常生活で簡単な用を足したり、興味・関心のあることについて自分の考えを述べることができる。 | 興味・関心のあることについて簡単な文章を書くことができる。 |
とはいえ、履歴書に書ける英検は2級以上推奨。
準2級の要件は日常会話レベルにも見えますが、まずは履歴書に書ける英検2級を目指しましょう。
英語日常会話レベルに必要な学習時間と学習内容
義務教育で6年以上英語は学んでいるはずなのに、自分自身が日常会話可能レベルかどうかって判断が難しいですよね。
肝心の英語話す機会が少ないから仕方ないのか。
日常会話レベルと言えるレベルまでの学習時間と学習内容について解説していきます。
英語日常会話レベルに必要な学習時間
Cambridge Language Assessmentによると、基礎固めからの学習時間は以下のとおり。
A2レベルへの到達に向けては180~200時間程度が必要なようです。
基礎レベルにもよりますが、中学卒業程度(英検3級)の英語力を持っている方であれば170時間程度が目安。
CEFRレベル | ケンブリッジ英語テスト | 必要学習時間(目安) |
---|---|---|
C2 | C2 Proficiency | 1,000-1,200 |
C1 | C1 Advanced | 700-800 |
B2 | B2 First | 500-600 |
B1 | B1 Preliminary | 350-400 |
A2 | A2 Key | 180-200 |
A1 | A1 Starters/Movers | 90-100 |
英語日常会話レベル到達までの学習内容
日常会話レベル到達の人が陥りがちな失敗行動は「聞き流しの英語学習」と「英会話スクールに絞った英語学習」です。
TOEIC・英検いずれの能力要件にもある通り、このレベル到達に必要なのは「語彙力と文法力」。
TOEIC500点 = 英検準2級~英検2級であり、3000語~4000語を身につける必要があります。
中学~高校レベル英語の復習、もしくはTOEIC 500点レベルを狙った本がおすすめ。
英語力日常会話レベルはどのくらい?まとめ
今回は、英語の「日常会話レベル」ついて、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)を元にTOEIC・英検レベルに換算して紹介しました。
日常会話レベル
・CEFR A2~
・TOEIC 470点~
・英検 準2級~
日常会話レベルまでに到達な学習時間は概ね180~200時間。
到達までに優先すべきスキルは「単語力」と「文法」の基礎・応用。
TOEIC点数の目安が重なっていることも考えると、日常会話レベルが定着すれば、ビジネスレベルへのステップアップはすぐそこです。
日常会話レベルに満足せず、転職・就職活動に活かせるビジネスレベル到達を目標にしましょう!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。