「決めの問題」という言葉、会議や交渉の場面で耳にしたことはありませんか?これは特に中堅以上の社員や管理職がよく使う、いわゆるおっさんビジネス用語の一つです。
このように、ビジネス用語の中には、特定の世代や業界でしか通用しない「ビジネスおっさん用語」が存在します。これまで本ブログでもいくつかの用語を取り上げ、言葉の背景や英語表現を解説してきました。
今回紹介する「決めの問題」という言葉は、仕事に慣れた中堅社員や管理職層の間で使われる独特な表現です。しかし、これを初めて聞く若い世代や海外の同僚には意味が伝わりにくいかもしれません。
この記事では、「決めの問題」の意味や使い方に加え、英語でどう表現するか、さらには若い世代やグローバルなビジネスシーンでの活用方法について解説します。
筆者の海外営業・駐在経験を交えた具体例を通じて、「決めの問題」の魅力と実用性をお伝えします!
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「決めの問題」とは?ビジネス用語の背景と意味
「決めの問題」の基本的な意味
「決めの問題」とは、意思決定や合意形成が必要な場面で、「誰が」「何を」「どのように」決めるかだけ判断できれば、どのように判断されても問題ないという点、日本企業特有のフレーズです。簡単に言うと、「複数の選択肢があり、どれを選んでも大きな差がない場合(もしくは結論がわからない)に、意思決定者が一任して決定しても差し支えない事柄」を指します。
例えば、複数の選択肢がある中で方針を選ぶ場面や、各部門間で意見が分かれている際に多用されがちです。「これはもう決めの問題だ」といった具合に、話を前に進めるための合図として活用されます。
後ほど解説しますが、責任回避や問題軽視、曖昧表現というネガティブな意味合いを持つことも多いため、どの階層の社員であれ多用は避けた方が無難です。
ビジネスシーンで使われる理由
「決めの問題」がビジネスシーンで重宝される理由は、その言葉が持つシンプルさと具体性。議論が長引いたり、意見がまとまらない場面で「決めの問題」という言葉を使うことで、「結論は変わらない(わからない)から、後は誰かが決めるだけ」という意識を参加者に共有できます。
特に時間が限られた会議や、迅速な意思決定が求められるプロジェクトでは、「決めの問題」というフレーズを受けて、議論や判断を前に進めるためのツールとなりえます。
決めきれない関係者や評論家が「決めの問題」として自分以外の人に判断をゆだねるネガティブな一面もあり
他のビジネス用語との違い
「決めの問題」は、「意思決定」や「判断」といった言葉と似ていますが、そのニュアンスは異なります。「意思決定」はプロセス全般を指し、「判断」はその結論を意味するのに対し、「決めの問題」は「誰がいつ決めるか(どっちに決まっても、判断した人の責任だから構わない)」という実行フェーズにフォーカスした言葉です。
「決めの問題」の英語表現とニュアンスの違い
「決めの問題」に相当する英語フレーズ3選
日本語特有のニュアンスを含んだ表現で、一概に英語に置き換えるのは難しいです。状況やニュアンスによって、いくつかの表現が考えられますが、なんとなく一番上のフレーズがマッチすると私自身考えています。
- A matter of judgment: 判断の問題
主観的な判断が求められる状況を表し、「決めの問題」のニュアンスに最も近い
- A call: 判断、決断
より簡潔な表現で、決断を下す必要があること
- A tough call: 難しい決断
難しい決断を下す必要がある状況
海外ビジネスの現場での実用例
- This is a matter of judgment. It’s a tough call.(これは決めの問題だ)
他の表現を使う場合、以下も良いかもしれません。
- The final decision is up to your judgment. (最終的な決定は、あなたの判断に委ねられます。)
- This is a very important decision for you to make. (これは、あなたにとって非常に重要な決断です。)
英語と日本語のニュアンスの違い
日本語の「決めの問題」は、特に会議や議論の中で使われることが多く、状況を一気に進めるために(当事者以外の人がしばしば)提案ベースで投げかけてくる言葉です。一方、英語では「A matter of judgment」や「A call」といった表現が用いられますが、日本語ほど簡潔で口語的なニュアンスは薄く、フォーマルな印象を与えることが一般的です。
日本企業で使われる「決めの問題」にネガティブな意味合いが含まれる一番の理由は責任転嫁です。
「決めの問題」という言葉が、最終的な判断を避け、責任を回避するための言い訳に使われることがあります。
ビジネスでの「決めの問題」の使い方と注意点
会議や交渉での活用方法
「決めの問題」は、会議や交渉の場で、議論が平行線を辿りそうな時や、些細な点で意見が食い違う際に、議論をスムーズに進めるために使われることがあります。例えば、「この資料のデザインはA案とB案どちらがいいかという問題は、決めの問題なので、〇〇さんが決めてください」といったように、意思決定の責任を明確にすることで、議論の焦点をより重要な点に移すことができます。
しかし、安易に「決めの問題」という言葉を使うと、部下や関係者のモチベーションを下げたり、責任転嫁をしていると受け取られる可能性もあります。そのため、使う際には以下の点に注意しましょう。
責任の所在: 誰が最終的な決定を下すのかを明確にすることで、責任の所在を明確にし、後々のトラブルを防ぎましょう。
決定の重要度: 確かに「決めの問題」ではありますが、その決定がプロジェクト全体に与える影響度を考慮し、適切な言葉を選びましょう。
部下の意見: 「決めの問題」と一言で片付けるのではなく、事前に部下の意見を聞き、その意見を尊重していることを示すことが大切です。
プロジェクト進行での「決めの問題」の応用例
プロジェクト進行において、「決めの問題」は、細かい仕様の決定や、タスクの優先順位付けなど、多岐にわたって活用できます。例えば、「この機能は必須かオプションかという問題は、決めの問題なので、プロジェクトリーダーにお任せします」といったように、プロジェクトリーダーの裁量に委ねることで、プロジェクトの進捗を円滑にすることができます。
しかし、プロジェクトの重要な部分については、「決めの問題」と安易に判断せず、関係者全員で議論し、合意形成を図ることが重要です。特に、プロジェクトの成功を左右するような重要な決定については、慎重に進める必要があります。
失敗しないための注意点
「決めの問題」という言葉は、便利な反面、使い方を誤ると、コミュニケーションの円滑さを阻害したり、部下のモチベーションを下げたりする可能性があります。以下の点に注意して使いましょう。
- 責任転嫁に使わない: 「決めの問題」を、責任から逃れるための言い訳として使わないようにしましょう。
- 部下の意見を尊重する: 部下の意見を聞き、参考にしながら決定を下すことが大切です。
- 状況に応じて使い分ける: すべての問題が「決めの問題」ではありません。問題の重要度や状況に応じて、適切な判断を行いましょう。
- 透明性を保つ: どの問題が「決めの問題」なのか、その基準を明確にすることで、部下の理解を得ることができます。
おっさんビジネス用語としての「決めの問題」の魅力
おっさんビジネス用語「決めの問題」の魅力と背景
「決めの問題」は、日本のビジネスシーンで長年親しまれてきた言葉です。この言葉には、責任を持って決断を下す、迅速な意思決定、状況に応じて柔軟に対応するといった、日本のビジネス文化が育んできた価値観が込められています。
言葉の背景には、上下関係を重んじる日本企業の文化や、変化の激しいビジネス環境に対応する必要性などがあります。また、この言葉は、職場の世代間で共通の理解を深める役割も果たしており、ベテラン社員を中心、広く使われてきました。
おっさんビジネス用語一覧まとめ
以下はX (旧Twitter)で話題になっているおっさんビジネス用語の一覧プラスαです。
こちらも解説を入れているので、良ければのぞいてみてください。
用語 | 意味 |
---|---|
鉛筆なめなめ | 売上や数量をうまいことごまかして試算する |
一丁目一番地 | 最も重要な場所、優先順位の一番目 |
ざっくばらん | 簡潔で飾り気のない、率直な |
えいやで決める | 経験や勘、その場の勢いに乗ってざっくりと決める |
交通整理 | 物事が混乱しないように、指示や調整をして整える |
全員野球 | 全員が力を合わせて、一つの目標に向かって取り組む |
よしなに | 適当に、おまかせで |
空中戦 | 交渉や議論など、目に見えないところでの駆け引き |
仁義を切る | 事前に筋を通しておく |
テレコ | 入れ違い・逆になる |
握る | 約束や決意を守ることを相手に保証する |
なるはや | できるだけ早く |
いってこい | ある数値に対して加算と減算が積み重なった結果、 元の数値のまま増えたり減ったりしないこと |
ロハ | タダ・無料 |
ツーカー | お互いをよく知る気心が知れた2人の人間の間柄 |
決めの問題 | どの方法を選択しても大して優劣が決まらず、 意思決定者の鶴の一声によって決めて良い問題 |
寝技 | 真っ向勝負しても勝ち目がないと判断したときに、 裏でこっそり仕掛けておくこと |
ガラガラポン | 複雑になってしまった問題を一旦仕切り直すこと |
がっちゃんこ | 2つ以上の複数のものを合体させ、 1つのものにすること |
ダマでやる | 秘密裏に物事を進めること |
ペライチ | 紙1枚・パワポ1枚だけの(資料) |
突貫工事 | 短期間で一気に仕上げる工事 |
ポンチ絵 | 大まかに描いた概略図や正式ではない構成図 |
ポテンヒット | 仕事を誰がやるのかあいまいなまま放置されること |
正直ベース | 実のところ、正直に申し上げると |
ボールを持つ | 責任の所在や仕事の担当者を指す |
【まとめ】おじさんビジネス用語「決めの問題」意味由来と英語!
今回はおっさんビジネス用語から「決めの問題」を取り上げて意味や由来の解説、英語表現を紹介しました。
意味
- 複数の選択肢があり、どれを選んでも大きな差がない場合に、意思決定者が一任して決定しても差し支えない事柄
英語表現
- A matter of judgment: 判断の問題
- A call: 判断、決断
- A tough call: 難しい決断
おっさんビジネス用語の一つをとっても、表現できる英語はまた違った意味合いのものもあり、驚いたかもしれませんね。
日本ならではのビジネス用語をどのように言い換えるか、微妙なニュアンスの違いはビジネス特化オンライン英会話「Bizmates(ビズメイツ)」でビジネス経験のある講師から教えてもらいました。
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